コラム

 公開日: 2015-06-12  最終更新日: 2016-11-08

たこ足配線は危険!でも何個も挿せる電源タップなら大丈夫なのか?

コンセント確保が難しい時代

●ITは私達の生活の姿を大きく変えています。PC、スマホ、タブレット、またはその周辺機器類など一人でたくさんの所有が当たり前になり、家庭や職場に溢れかえっていて一室のコンセントだけではとても足りないほどになっています。

●出張サポートで訪れる現場でもほとんど例外なく、壁からのコンセントだけでは足りなくて、電源タップなどを使って分岐しながら何とかやりくりしているというのが実情です。

●そのどこもがいわゆる「たこ足配線」になっていて、見るからに危険臭がする際どい状況のところもあったりします。たこ足配線とは、コンセントなどからまるでタコの足がうねうねとからんでいるように、何本もの線が分岐されて使用されている状況を言います。

●ところが良く使われている電源分岐タップは、6箇所も8箇所もコンセントを挿すところがありますよね?
電源タップを使うと見た目はすっきりしますが、それって全部の差込口を使ってもたこ足にはならないの?と疑問に思いませんか?
そういうものを売っているんだから大丈夫なようにできているんでしょ?と思ってしまうかもしれませんが、実はそう話は簡単ではないのです。


※電源タップならたくさんつないでもたこ足に 相当しないのか?

コンセント、電源タップには"容量"の限界がある

●電気機器には個々に電気容量がどのくらい必要なのかという"定格"というものがあり、それぞれ本体や説明書などにその数値が記載されています。

●ドライヤが600W(ワット)だとかエアコンが1,200Wなど、"ワット数"で表示されていたりします。


※本体ラベルに記載してある容量の例

●電源タップにも、本体や説明書に「トータル1,500ワットまで」とか「15A」と大きく刻印や表示がされていると思います。その表示がそのタップで使用できる合計での容量の上限(限界)値ということになります。

●容量の限界値というのは何かというと、タップに挿した電気製品を同時使用したときの全部の電気容量の総和のことです。それはタップの構成部品、配線の太さなどの設計がどれだけの電流に耐えるのかということから算出され決められています。要するにたくさん差し込み口がある電源タップといえども、"限度"というものがあるわけです。

●例えば、6個口で15Aが限度のタップに1個しかコンセントを挿していない場合でも、その機器が業務用複合機で表記上"15A"(1,500ワット)の最大容量であれば、それ1台で既にタップの表記限界値の15Aになる・・・つまり1台だけで"限界"というわけです。折角差し込み口があと5個口残っていてもそれ以上は挿して同時には使えないということになります。

※電源タップに表記してある容量は合計値

●以前、ある事業所で、業務用コピー機を使い始めるとパソコンの電源が落ちて(切れて)しまう・・・というところがありました。状況を確認するとパソコンとモニタ2セット分が同じテーブルタップで使用されていました。これはまさにタップの限界を"超えた"状況になっていたのです。コピー機が動くたびに配線経路上の容量が逼迫し、電圧降下が起きて蛍光灯がちらつき、電圧に敏感なパソコンの電源が貧血状態となってそのたびに電源が切れていたのです。

●このようなことにならないためには、容量の大きい機器は分岐タップから電源を取らず、単独で壁などから専用にコンセントを確保するべきです。同時使用できない以上、差込口がたくさんあるような電源タップは事実上意味がありません。延長する場合はタップよりも安価で済む単独の延長コードで十分です。これは消費電力が大きいレンジや電気ストーブなどでも同様です。

コンセント、複数タップの正しい接続方法

●壁のコンセントは通常2口ありますが、もう一方が空いていてもブレーカー回路自体は一つになっているため、大容量の器具で既に片方を使っいる場合、制限容量に近づいています。スマホの充電位ならば大丈夫でも、そこへ電源タップを挿すというのはやめておきましょう。つまり、このような場合は2口の壁コンセントが片方空いていても使えないということです。

●ここで注意点は、限界容量の判断として、15Aの電源タップを2本つないだから合計で30Aまでいける・・・というのは大きな間違い。構造的に耐性が上がるわけではないので、延長で何本繋いでも限界は15Aには変わりありません。

●壁コンセントに挿しているタップが最大容量12Aまでのもので、それに最大15Aまでのタップを継ぎ増しした場合はどうなるでしょうか?その場合限界は15Aではなく、12Aが限界となります。ですから接続の際にはつなぐ順番も考慮が必要です。大元に近い方に容量限界の低いタップなどは使わないこと。

たこ足配線で問題になるのは、つないだ機器の数ではない

●6個口の電源タップ全部が埋まってしまい、足りなくなることがあるかと思います。そこへさらに電源タップ、テーブルタップをそれに継ぎ増したり三又(みつまた)などで分岐を増やして、合計10台以上の機器を使った場合はどうなるのでしょうか?

●見た目は配線がまさに"たこの足"のようになっていてかなり危険に見えるかもしれません。しかし、こんな場合でも、つないている機器類の容量計算がきちんと出来ていて、タップの限界を超えていなければ大丈夫なんです。

●スマホ充電器、ノートPC、ルータやモデム、インクジェットプリンタなどの容量が小さい機器同士ならば全部の容量総和は大したことはありません。タップの限界容量を超えていなければ挿している機器の数が、仮に10台以上になったとしても危険はありません。


※使用している機器の容量が小さく、合計でタップの定格以下であれば上図のような状況でも直ちに危険ではない。

●要するに、たこ足配線が危険な場合というのは挿している"個数"ではなく、同時に使用する機器の"容量の合計"がタップや配線の定格をオーバーしてしまう場合なのです。ですから容量上限を超えなければ電源タップ全部の差込口を同時に使っても、さらにそこから継ぎ増しや分岐しても大丈夫なんです。

●しかし油断は禁物。せっかく計算してタップを管理していても、誰かが知らない間に電気ストーブや加湿器などをそこへ追加し、挿した時点で一気に限度を超え危機に陥ってしまいます。人員の多い事業所などではタップに「ここはもう限界」など張り紙をして、容量を超えないように注意して使う必要があります。

容量オーバーの結果どうなる?

●容量オーバーで使用すると危険だというけれども、具体的に何がどう危険だというのでしょうか?
電源タップなどで「安全装置内蔵」というブレーカ回路内蔵のものがありますが、これは限界容量を超えた時点で自動的に電源を切断する仕組みになっています。

●自動で切ってくれるなら、安全で便利そうな印象がありますが、デスクトップパソコンなどの電源を同じタップから取っていた場合、パソコンの電源も突然落ちてしまいますので、編集中のデータを失ったり、OSやHDDがダメージを受ける可能性があります。また、リセットスイッチで戻せばまた復帰するからと言って、落ちた原因を排除せず何度もリセットで復旧させて使用することは危険です。

●ブレーカーが内蔵されていない電源タップの場合、容量オーバーになるとタップ本体や配線が高温になったり、最悪の場合は焼損などを起こして発煙したり、その結果火事の危険性も出てきます。下記はその実験例です。

●情報:埼玉県 消費生活支援センター
電源タップの発熱に注意しましょう(商品比較テスト結果)
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0304/testkekka/tabletaptest.html

容量さえ守れば安全か?

●数が多くても合計が許容容量以下であれば大丈夫と言いましたが、ひとつだけ注意したいことがあります。それはほこりです。電源タップなどを床に直接置いたりデスクの下や奥に押しやっていると、ほこりまみれになっている場合があります。ほこりはトラッキング現象を誘発します。

●トラッキング現象とは梅雨時や冬の窓際など、湿気を帯びたほこりで覆われた甘挿しの電源プラグがショートして発煙、発火する現象です。


●分岐が多いとそれだけトラッキング現象を誘発する箇所も増えますから、ほこりっぽいところでのたこ足配線は気をつけたほうがいいでしょう。

九州インターワークス 注目のページ
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

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