コラム

 公開日: 2017-01-30  最終更新日: 2017-01-31

データは劣化する?意外と知られていないデジタルデータの落とし穴

やはりアナログよりデジタル

●情報がアナログからデジタルへと移行し、高いクオリティーを維持したまま短時間で保存や複製、移動が出来るようになり、世の中は大変便利になりました。

●私が若い頃は、アナログオーディオが隆盛を極め、LPレコードやカセットテープ、ラジオ番組のエアチェックで如何に高音質で視聴・保存するかということに神経を研ぎ澄まして臨んでいたりしたものです。

●オーディオにかける費用も、今ではとても考えられない額を多くの人たちが注ぎ込んだのも事実で、ビデオ・オーディオ機器は自動車に次ぐステイタスシンボルのひとつとなっていました。

●今でも、アナログの音を楽しみたいという需要があるようで、レコードプレーヤなどのアナログ機器が新たに発売となったり、中古市場で高騰したりしてちょっとしたブームともなっているようです。

●しかし、懐古趣味も悪くはありませんが冷静になって当時のアナログの音を今聴いてみると、やはりすべての面でデジタルには到底敵いません。テープやLP盤のように物理的な消耗劣化や経年変化もデジタルでは心配することもなくなりました。

デジタルデータの劣化とは

●ところが、デジタルになったからといって安心してはいられない事が起きています。

●サポート事例でよく登場するのは、写真や音楽などのデータを劣化させてしまう事例が数多くあることです。

●何回複製しても劣化しないというのがデジタルデータの特性であり、メリットというのが一般的な常識となっていると思いますが、取扱い次第ではデジタルでも「劣化」がありえるのです。劣化の具合によってはアナログデータよりもひどい状態になってしまうこともあります。

●データの劣化というとCDやDVDなどが読み出せなくなったり、HDDやUSBメモリのデータが出てこなくなるということを思い浮かべるかも知れませんが、ここで言っている「劣化」はそのような物理的劣化のことではなく、ソフトウェア的な劣化のことを指します。

●デジタルデータは、種類によって様々な形式が存在します。そしてそれぞれに特長や性質が異なっていてデータの使用用途や環境などで使い分けが可能になっています。

●デジカメなどの写真データは、主にJPGというデータ形式で保存されます。また、音楽はmp3やwav、映像ならばmpgやmp4、aviなどという形式で作成されます。それらのデータは、単にコピー(複製)するだけであれば劣化は全く起こりません。しかし、編集したり他のデータ形式に変換する際にデータの劣化が起きてしまうことがあります。

●JPGという画像データ形式は「不加逆性」という性質を持っています。簡単に言うと、画像エディタなどで明るさを変えるなど何らかの編集作業をして変更を加え上書き保存してしまうと元のデータに戻すことが出来なくなってしまうのです。

●要するに元のデータと比較して「劣化」してしまいます。それを何度と無く繰り返してしまうとその都度劣化し、クオリティーが損なわれていきます。(ジェネレーションロス)

●これは、音楽や動画データも同じで、データ形式によっては画像データ同様、編集や加工の際に劣化が起きます。劣化の度合いは、使用するソフトウェアのアルゴリズムや出力しようとしている変換方法、ファイル形式などで違いは様々ですが設定などを間違えると、ひどく劣化して一度の編集でもクオリティーを損なってしまうこともあります。


※上はオリジナルに近いデータ、下はリサイズをして小さくし過ぎたデータ。クリックで拡大するとディティールなど細部で劣化がわかる

劣化を最小限に留めるには

●ところが、画像や映像データはオリジナルデータそのままではネットなどで公開する際に冗長過ぎることがありますので、どうしても圧縮変換やリサイズ、トリミングなどの編集を加えなければなりません。

●その際の劣化を最小限に留めるためには以下のような工夫を行うことで、元データと比べて遜色の無いクオリティーを保つことが出来ます。

○使用するソフトウェアの品質
ソフトウェアのアルゴリズムによって劣化に差が出る。
○ソフトウェアの出力品質設定
出力時の品質保持率を高く設定する
○データ劣化が少なくなる形式(可逆性形式)で編集、出力する
使用環境に合わせた形式へは、編集後に書き出す。

●以上のような対策を行ったとしても、不可逆性データはオリジナルデータ(元データ)のクオリティーと完全に同等にはなりません。ですから、オリジナルデータに対して直接編集せず、作業前にまずオリジナルデータをバックアップとして残し、編集用に複製を作成した上でその複製データを使って編集を行うようにします。

●オリジナルデータの最適なバックアップ方法は、CD-Rのような光学ディスクへの記録です。データの上書きができなくなるライトアットワンス(セッションクローズ)で書込みを行うと、データを誤操作しても一度書込んだオリジナルデータは改変できません。

●USBメモリやHDDなどはデータの上書きが可能になるため、バックアップを取っていても作業中に何かの間違いや勘違いで保存中のオリジナルデータを改変してしまうアクシデントが起きる可能性があります。オリジナルデータの保存先としては不安が残ります。

●オリジナルデータを上書きしてしまうと二度と元に戻せなくなりますので、オリジナルデータは永遠に失われることになります。

●以上のようにデジタルデータでも取り扱い方によっては劣化してしまうことがあるので、マルチメディアのデータを取り扱う場合は十分留意して行うようにしましょう。

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