コラム

 公開日: 2017-08-16 

建替えか修繕か

マンションの築年数が30年を超えてくるとマンション諸設備の経年劣化による不具合個所が増加します。特に給水管、給湯管、排水管に見られる老朽化は顕著であり、これらの管の更生(延命)工事、更新(取替)工事を実施しなければ管の脆弱部分が破損し下階の部屋へ漏水する可能性が高くなり、結果として日常生活に支障をきたします。更に築年数が経過すると、「ガス配管更新工事」「電気配線、電気機器の更新工事(通信設備含む)」が必要になってくると思います。このように修繕工事が増えてくると当然にして、その工事費用が発生し、工事費用を贖えるだけの修繕積立金が必要となります。このように修繕工事が増加し工事費用の支出が多大になってくると管理組合内で「このまま修繕をして住み続けるか、いっそうのこと建替えてはどうか。」という議論となります。
修繕か建て替えかの議論の前提になるのは、「診断」となります。診断を行うことで建物の機能が修繕をすれば維持できるのかを見極めて判断することが重要と思われます。診断の結果、管理組合として建替えの方向性となった場合、区分所有法上の規定、管理規約の規定を全組合員が把握した上で合意形成を構築していかなければなりません。
建替え決議は、区分所有法、標準管理規約では、組合員総数の5分の4及び議決権総数の5分の4の賛成が必要です。さらに2か月前に総会招集を通知し、議案説明書に、以下の項目を記載しなければなりません。
①建替えを必要とする理由
②建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持及び回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及び内訳
③建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
④建物につき修繕積立金として積み立てられている額
更に、少なくとも総会開催1ヶ月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について組合員に対し説明を行うための説明会を開催しなければなりません。
建替えは、決議について上記のような煩雑な手続きが必要になりますが、決議に至るまでに、資金計画、建替え建築中の仮住まいなど解決しなければならない問題は多岐に渡ります。しかし、建替えた場合は現在の住まいを超える「快適な住まい」になるのではないでしょうか。
管理組合としては、今後の住まい方を検討するための「専門委員会」を立ち上げ、今後の問題点を整理し組合員全員の合意形成を目指していくことが望ましいと思います。

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マンション管理士 清野隆

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