コラム

2016-09-04

~106万円の壁が登場~ これからは扶養の範囲にこだわらないで、フルタイムで働くことを考えよう

ファイナンシャルプランナー(FP)の久保逸郎です。

来月から短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用が拡大されます。
具体的には現行週30時間以上の勤務で厚生年金・健康保険の適用されていたものが、下記の要件に変わります。
①週20時間以上
②月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
③勤務期間1年以上
④学生は適用除外
⑤従業員501人以上の企業

この変更によって、約25万人が新たに厚生年金・健康保険の加入者になる予定です。

これに伴い10月以降は社会保険の基準として用いられる標準報酬月額の1等級が8万8000円になります。
年間では105万6000円。
これが「106万円の壁」と呼ばれる理由です。

つまりパート社員が扶養の範囲で働くためには、これまでの「103万円の壁」や「130万円の壁」に加えて、新しく「106万円の壁」も気にする必要が出てきたわけです。

従業員501人以上の企業が対象なので、しばらく適用者は限定されますが、「3年以内に検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講じる」ことが法律に明記されており、3年以内には全企業に拡大される予定になっています。





■政府は女性の就労を促進して、自助努力による資産形成を求めている
この適用拡大の背景には、非正規労働者に社会保険を適用してセーフティネットを拡大して、社会保険における「格差」を是正することがあります。
また、働かない方が有利になるような仕組みを除去して、とくに女性の就労意欲を促進して人口減少社会における労働力の確保をしようという政府の狙いがあります。

どうしても社会保険の加入者にはならないで扶養の範囲で働かなくてはいけない事情があるならともかく、そうでないなら社会保険に加入すれば将来もらえる年金も増えますし、傷病手当金や出産手当金・育児休業給付、それに障害厚生年金受給の可能性など社会保障が充実しますから、社会保険に加入して働くという選択をしたほうがメリットは大きいと思います。

また、来年1月から確定拠出年金(DC)の制度拡充で、専業主婦も個人型DCに加入できるようになります。
さらに配偶者控除の見直しなどが議論されており、政府は女性の就労を促進して、自助努力による資産形成を行うことを求めてきています。

簡単に言えば、少子高齢化社会を迎えて現状の社会保障制度を維持していくのは難しいので、「もう国は面倒を見れないから、みなさん働いて自助努力で頑張ってね」という方向で進んでいるのです。





■扶養にこだわらないで世帯収入を増やすには
そのため106万円を超えないようにして働くという選択肢もあるにはありますが、政府の進めている方向性とは違うので、けっして賢い選択とは思えません。
それであれば社会保険に加入して、これからは時間や収入を気にしないで働くことを考えてみてはどうでしょうか?

社会保険に加入すると社会保険料の負担が発生するので、106万の壁を中途半端に超えてしまうと手取りは増えません。
むしろ収入がマイナスになってしまうことが多いと思います。
160万程度稼ぐとようやく世帯収入が増えるような形になりますので、1ヶ月あたりの収入でいうと13~14万円程度です。

時給900円で1日7時間、月に22日働いてちょうど13万8600円ですから、パートでフルタイム働いてようやく世帯収入が増えるような形ですが、その代わりに厚生年金(公的年金制度の2階部分)に加入することになるので将来もらえる公的年金が増えることになります。

社会保険料を気にして収入を減らすことは一時的にはよいこともあるかもしれませんが、長期的にはマイナスのほうが大きいと思いますし、国の進める方向に逆行しても年々厳しくなっていくばかりだと思います。

この機会にライフプランと働き方について考えてもらいたいですね。

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