コラム

 公開日: 2016-05-27  最終更新日: 2016-06-29

外貨建て保険への加入は、日本との金利差が3%以上開くまで待とう

ファイナンシャルプランナーの久保逸郎です。
現在発売中の『Financial Adviser』の外貨建て保険の特集に原稿を寄稿しました。



日本では1月末にマイナス金利の導入が決定して、2月16日からマイナス金利が始まりました。
現在は長期金利もマイナス(2016年5月26日現在、-0.11%)の状況が続いています。
このような状況下であるため、円建ての貯蓄性のある保険商品の魅力は完全に失われました。
今月に入ってソニー生命が個人年金保険などの販売を停止したように、運用難から保険会社が貯蓄性商品を販売停止にする動きが続いています。

しかし、金融機関(保険会社・保険代理店など)は保険販売で手数料を稼がなくては商売になりませんから、このような市場環境でも保険販売をやめることはありません。
そのため円建てではなく、外貨で運用を行う外貨建て保険を中心に顧客に勧める傾向が出てきています。

ファイナンシャルプランナー(FP)や金融機関の職員に読まれている同誌が、今回外貨建て保険の特集を組んだのも、このような流れを受けてのことです。

低金利の今外貨建て保険に加入しても、得られる収益は小さい

今回私は7ページほど特集記事の執筆を担当しましたが、執筆しながら改めて感じたことは、現在は日本だけでなく先進国全体が低金利の状況です。
もっと正確に言えば、先進国の約4割がマイナス金利の状況。
このような市場環境で米ドル・ユーロ・豪ドルなどの外貨に投資をしたとしても、外貨建て保険の場合はコストが高いこともあって、契約者が得られる収益はわずかにしかなりません。



例えば、この書籍の中ではある保険会社の外貨建一時払終身保険(米ドル建)のケースを具体例に挙げていますが、40歳の男性が1ドル110円のタイミングで今年4月に同保険に加入したとして、最低保証の積立利率(2%)の場合、65歳で解約した場合の戻り率(返戻率)は約105.6%です。
25年間も預けて5.6%しか増えないといことは、実質的な収益利回り(年換算)でいうと約0.22%に過ぎないわけです。

低金利でインカム収入(利息収入)がほとんど積み上がらない影響で、為替の損益分岐点も約104円。
25年間も運用して65歳の時点で解約したとして、104円以上の円高局面になったら損が出てしまうわけです。
このような状況はどこの保険会社も同じです。

収益は小さく、大きな為替リスクが残る

つまり低金利の今の時期に外貨建て保険に加入したとしても、よい利回りは望めないのでインカム収入(利息収入)はわずかにしかならない。

その一方で、契約者の抱える為替リスクは大きく残ります。
もちろん円安になれば為替差益を得られる可能性はありますが、将来の為替水準はわかりません。
むしろ長期的なトレンドでは円高が進んでいることも頭に入れておかなくてはいけません。

わざわざ為替リスクという大きなリスクをとっても大した収益が望めないとなれば、外貨建て保険に加入するメリットはほとんどないはずです。
「通貨分散の一環として外貨建て保険に加入しましょう」と勧められることもあると思いますが、通貨分散目的ならFX(外国為替証拠金取引)や外貨建てMMFのほうが圧倒的にコストが安いです。
または低コストの外債ファンドのほうが、手元に残る収益は大きくなるはずです。

このような状況を踏まえて考えると、外貨建て保険に加入するのは投資対象国と日本との金利差が3%以上に開くまで待ったほうがよさそうです。
加入を勧められた場合はもう一度収益(メリット)とリスクについてはしっかりと考えてください。
少なくとも為替リスクという大きなリスクが存在するので、「日本よりも金利が高い」というだけで加入するのはやめておきましょう。

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