コラム

2016-03-05

マイナス金利で注目するべき資産とは?

ファイナンシャルプランナーの久保逸郎です。
先日鹿児島の資産運用セミナーで講演する機会がありました。
講演後に参加者の方々から質問を受けましたが、やはりマイナス金利への関心は高いようですね。

しかし、改めて考えてみてください。
けっして預貯金の金利がマイナスになるわけではありません。
また、もともと預貯金はゼロに近い金利水準だったので、振込手数料や引出手数料を考慮したら実質的に「銀行にお金を預けておくと減ってしまう」という状況にも何ら変化はありませんよね。

私自身は物価上昇率(インフレ率)にも及ばない0.1%とか0.05%とか、そのような低水準の金利を気にしても仕方がないと思うのですが、やはり「マイナス金利」という言葉のインパクトが大きいのか、どうしても今後の影響が気になる方が多いようです。

リスクを取らないとお金は増やせない

とにかくマイナス金利の導入ではっきりと言えることは、「リスクを取らないとお金は増やせない時代になった」ということ。
マイナス金利の導入が決定されてから、三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行やりそな銀行などが普通預金の金利を0.001%まで引き下げました。
昨日(2月22日)にはゆうちょ銀行も追随して、翌日2月23日から通常貯金の適用金利を0.001%に引き下げました。
地元のふくおかフィナンシャルグループの3行(福岡銀行・親和銀行・熊本銀行)も3月7日から普通預金金利を0.001%に引き下げる発表しています。

銀行窓口などで加入する人が多かった一時払い終身保険も運用難のため、富国生命が販売停止、第一フロンティア生命保険が一部の円建て終身保険の販売を取りやめるなど影響が出始めています。
今後も保険会社が運用難から一時払い終身保険などの貯蓄性の保険を販売停止にする動きは続くと思われます。

マイナス金利はJ-REITや国内株式にとってはプラス材料

このような環境でお金を増やしていくことは容易ではありませんが、マイナス金利で恩恵を受ける資産もあります。
例えば、マイナス金利の恩恵を受ける代表的な資産といえば不動産や国内株式が挙げられます。
マイナス金利の導入で日銀当座預金に資金を積み増すことが難しくなった銀行は、利回りを求めて今後はJ-REIT(不動産投資信託)に資金を振り向ける資金を増やしていくと思われます。

また、マイナス金利によって金利負担の低下が起こるので、とくに借入の大きい企業にとっては金利コスト負担の低減が企業業績にプラスに働くでしょう。
銀行の融資による貸出増加なども期待されており、国内景気を押し上げる可能性があるため、市場全体として株価の押し上げ要因にもなります。

足元ではマイナス金利導入の決定後は株価が上昇したものの、その後に反転して下落したように最近の株式相場は大変不安定な状況が続いています。
そもそもマイナス金利を導入せざるを得なかったことを考えても、最近の経済環境はけっして良好とは言えませんが、マイナス金利はJ-REITや国内株式にとってはプラス材料であることは頭に入れておきましょう。


高配当株やマルチアセット戦略ファンドに注目

少しでも利回りが欲しい、なるべく安定的に増やしたいという方に注目してもらいたいのが配当利回りの高い株式(高配当株)と、「マルチアセットファンド」などと呼ばれるリスクコントロールを優先したタイプのバランスファンドです。
2014年6月から政策金利の一部にマイナス金利を導入しているECB(欧州中央銀行)の影響もあって、昨年欧州では高配当株式ファンドは人気を集めました。
また、変動の大きな相場に対応するために、機動的に資産配分の変更を行ってリスクの低減を図るマルチアセットタイプのバランスファンドにも人気が集まりました。
期待収益率やリスク許容度に合わせて自身に合ったバランスファンドを選ぶことは、マイナス金利の環境でお金を増やしていくための大きな選択肢の一つだと思います。
マイナス金利はすでに欧州の各国で導入されているので、そこで起きていることを参考にしてみてください。

次回の自主開催セミナー(4月9日午前開催予定)では、欧州の事例などからマイナス金利を乗り切るための戦略をお伝えする予定にしています。
来週中には詳細をご案内できると思いますので、詳しく知りたいと思う方はぜひご参加ください。

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